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古文書と書道な日々

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八丈方言でアナと雪の女王を歌ってみました

◆八丈方言で歌った経緯◆

伊豆諸島の八丈島 それも樫立(かしたて)地区方言バージョンです。 
八丈には、村が五カ村ありました。三根・大賀郷・中之郷・樫立・末吉です。
今も地名に残っています。
ほとんど差はなくなってきましたが、方言の違い、文化の違いが島内であります。

地元の人が聞いたら変なところもありそうなので、取り直したいところは沢山ありますが(アナとエルサをもっと声質をかえたいとか、プツプツ切れるかんじをなおしたいとか、音程を変えたいとか)、ほとんど加工無しのこのままでアップします。

きっとアップしたら、それなりに反響があって、「その発音はちがう」とか「その言い回しはこっちがいい」とかありそうなので、そのうちそれを変更反映していければと思います。

マイクとか、オーディオなんとかとか、これを作るために一から勉強し、購入しました(間違って購入し買いなおしたりもしました)。
ソフトも本当は色々あるのでしょうが、フリーソフトのAudacityの録音機能のみを使っています。
加工は難しくて、手をつけられません。
そんなレベルで作ったので、まだまだ不勉強で、不備も多々あるかと思います。
でも、とりあえず、やることに意義がある、ということで歌ってます。
 
ユネスコにより,消滅の危機にあると認定された八丈方言の認知と、後学のため、です。




◆協力者◆

今回、八丈島樫立の出身の母に聞き取りをして作りました。
自分自身八丈出身ですが、八丈での生活が短い上、八丈方言をあまり使ってこなかったので、あまりうまく訳せませんでした。



◆八丈方言の中の敬語◆

聞き取りをして今まで以上にわかったことは、八丈方言にも敬語があるということ。

「食べろ」は、尊敬語が「上がれ」「上がりやれ」で目下にたいしては「かめ」なのは気付いていましたが、それ以外はあまり気付いていませんでした。


◆八丈方言の中の敬語「おじゃる」◆

アナ雪を知らない母に、エルサが姉で、アナが妹。王族の2人ということを話すと、
「守ってもらわなくて平気。私は大丈夫よ」は
「守ってたもうんなくてもよけおじゃろわ。われは大丈夫でおじゃろんて」という敬語で訳してくれました。

「おじゃる」はおじゃる丸も使いますが、八丈でも現在もまだ、方言として使われています。



◆八丈方言の中の敬語「たもーれ」◆

「行かないで」 → 「行かないでたもーれ」
「お願いよ。私から離れないで」 → 「頼みいたそわ。われから離れないでたもーれ」
「怖がらないで」 → 「怖がらずんたもーれ」
という敬語で訳してくれました。

「たもーれ」は「給う」からきた言葉と思われますので、敬語には、「たもーれ」が付くようです。

が、歌になると長すぎて歌いにくいので、泣く泣く「たもーれ」はかなりカットしました。


◆八丈方言の中の敬語「あんどー(姉さん)」◆

また、アナが「エルサ」と呼びつけで呼びますが、八丈方言では敬称をつけます。(これは本当は日本全国どこでもそうだと思います。)
「姉さん」を八丈では、「あんどー」といいます。

ですから、「エルサ姉さん」は「エルサ+あんどー」。

八丈方言は、英語と同じように、母音が続くとリエゾンが発生する場合があります。
前の母音が消えるようで、エルサあんどーではなく、「エルサんどー」になります。

前の母音が消えるというのは、例えば、トモコ姉さんの場合、トモコとあんどー(Tomoko+ando)ですが、トモコんどー(Tomokondo)ではなく、トモかんどー(Tomokando)になります。

そのため、公的な場所で名前をきくまで、「ともこ」さんなのか、「ともか」さんなのか分からず、ずっと「ともか」さんだと思っていた、ということもあります。

この歌には関係ありませんが、おばあさんのことは「ばしゃ」というようです。多分「婆者」からかと思います。
私は祖母から、祖母の祖母のことを、「つよばしゃ」と聞いていて、「つよそうな名前だなー(強馬車?)」とおもっていました。

ある時、墓石に「つよ」とあることに気づき、そこではじめて、「つよばしゃ」とは「つよばあさん」のことであることがわかりました。

ちなみに、おじいさんのことを何て呼ぶかは、私は知りませんので、どなたか教えてくださいませ。

◆八丈方言の一人称
島内で、一人称が違います。
樫立では「われ」
末吉は「わー」
三根は「わい」
大賀郷と中之郷はしりません。
誰か教えてたもーれ。


◆八丈方言の二人称

途中、エルサというのを、二人称に変更しています。
八丈の樫立では、「おみゃー」といいます。
中之郷では「おみ」。
語源は御身(おんみ)からかと思います。

他の地区(三根・大賀郷・末吉)では、「おめえ」「おまえ」「うぬ」あたりがあるようです。
「うぬ」は多分、目下にしか使わないと思いますが、「おめえ」と「おまえ」は尊敬なのか目下に対してなのか、地域によって反対だったりするそうで、違う地区で話すと誤解が生まれた、という話を聞いたことがあります。



◆「わからない」は三根地区なら「しょくない」◆

エルサの「やり方が分からない」、八丈方言でも、三根や大賀郷なら「やり方がしょくなっきゃ」になると思います。
が、樫立は、「知らない・わからない」を「しょくない」とは使わないようです。
普通に訳して、「わかんなっきゃ」になるようですが、かわりに「おびーない」(覚えていない)はよく聞くので、こちらの方を採用しました。



◆「うそ?」は「てーれん?」◆

八丈では、「本当?」とはあまり言わず、かわりに「うそ?」といいます。
そして、八丈方言の一部では「てーれん?」といいます。
今回、エルサの「え?(what?)」に若干違うかもしれませんが採用しました。
島内でも伝わらないと聞いたこともあるので、樫立地区だけなのか、樫立でもあまりつかわれてないのか、要研究な言葉です。


◆「山」は「畑」のこと◆

八丈では、「山」と言えば、「畑」を指します。
ですから、「2人で山を降りようよ」の山を変更する必要がありました。
そのため、「下しゃん降りろぐぉん」(下に降りようよ)になっています。


◆ほっておく・捨てるは「ぶっちゃる」◆

八丈方言は、接頭語が沢山つきます。
「一人だけ残して帰れない」の「残す」というのを放っておくという意味で「ぶっちゃる」を使いました。


◆大げさな言い回し◆

八丈方言には、大げさな言い方が結構あります。
残念なときの「えー?」とか、「あらら」というのと同じような使いかたで、
「あいやいやい」といいます。
場合によっては「あいやいやいやーい」などと大げさに言います。

他に、歌の中には出てきませんが、
感心して驚くときに、
「わーわーわーわー!」
というのがあります。
「わー すごい」
と同じように使われ、わーを4回いいます。

個人的な話ですが、私が小さいとき、何か褒められてもらうことを祖母に伝えると
「わーわーわーわー!」
と言ってもらえるのが嬉しかった記憶があります。


以上、読んでいただきましてありがとうございました。
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感謝!

はじめまして。
千葉大学の金田といいます。八丈方言を勉強中です。
きのうタイムスのまりちゃんに教えていただき、拝見しました。
なかなかいい出来ですね。歌もお上手です。
ぜひほかのバージョン、場面にもトライしてください。

Re:感謝!

金田先生! 直々にコメントありがとうございます。
方言の研究に関しても、ありがとうございます。

先日、先生の本をamazonキンドルで購入させていただきました。

私は、あまり八丈ネイティブでなく、うまく翻訳できないので、金田先生の本と、浅沼良次氏の辞典をデータ化し、検索して、今後の歌に使っていきたいと考えているところでした。
現時点で、浅沼良次さんの辞典は、既にスキャナでPCに取り込み、精度がまあまあなOCR(文字読み取りソフト)で文字化しました。
ですが、金田先生の本は、キンドルからのため字が小さくOCR(文字読み取りソフト)でかなり間違った読みをしてしまうので、最終的に手入力をするしかないかもしれないと考えています。

ひっそりと本当に気まぐれな趣味でやったことですが、反響が大きかったので、今後もやっていきたいと考えています。

曲を何にするかも、試行錯誤中です。
  • from Suien |
  • 2016/05/27 (13:34)

本?

どの本でしょうか。
手元のでよければさしあげますよ。
メールでもいただければ。
  

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